コンサートのプログラム冊子は、演奏家が聴衆に渡す大切なコミュニケーションツールです。しかし曲目の表記方法(作品番号・調性・楽章名)を間違えたまま印刷してしまうケースは珍しくありません。クラシック音楽の慣用表記を理解したうえで組版を行うことが、プロとしての信頼感を高めます。
作品番号の表記方法:作曲家ごとに異なる番号体系
クラシック音楽の作品番号は作曲家によって異なる番号体系が使われています。主なものを整理します。
- Op.(opus):ベートーヴェン・ショパン・ブラームスなど多くの作曲家。「Op. 9」のようにピリオドの後にスペースを入れる
- BWV:バッハ(Bach-Werke-Verzeichnis)の目録番号。ピリオドなし、数字のみ
- K. / KV:モーツァルト(Köchel Verzeichnis)。「K. 331」が一般的。「KV 331」と書く場合も
- D:シューベルト(Deutsch目録)。「D 960」のように数字の前にスペース
- HWV:ヘンデル(Händel-Werke-Verzeichnis)。ピリオドなし
- S.:リスト(Searle目録)。「S. 178」
調性の書き方:日本語・英語・ドイツ語表記
日本のプログラムでは日本語表記が一般的です。「ハ長調(C major)」「イ短調(a minor)」「変ロ長調(B♭ major)」のように書きます。フラット・シャープの記号は「♭(フラット)」「♯(シャープ)」を使います。ドイツ語表記(C-Dur、a-Moll等)は演奏会の格式や演奏家の希望に合わせて使い分けます。
楽章の書き方と演奏順の整理
楽章名は原語(イタリア語・ドイツ語・フランス語)で表記するのが正式です。「Ⅰ. Allegro ma non troppo」のようにローマ数字で楽章番号を示し、速度表示はイタリア語で記載します。省略される楽章がある場合は、演奏しない楽章に「省略」と注記するか、演奏する楽章のみを記載します。
treeでの対応:表記確認を制作フローに組み込む
treeではプログラム冊子の制作時に、演奏家からご提供いただいた曲目リストの表記を慣用ルールに沿って確認・整形します。「校正で時間をとられたくない」「音楽に詳しいデザイナーに任せたい」という演奏家・音楽事務所の方はお気軽にお問い合わせください。